珠玉の名曲をカラヤンの名演で聴く マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」交響的間奏曲
誠意と情熱を傾けたカラヤン珠玉の名演奏
カラヤンの追悼でリリースされた、「アダージョ・カラヤン」というCDが何百万枚も売れて、柳の下のドジョウをねらって同じようなCDが企画されたのですが、「アダージョ・カラヤン」以外はさっぱりだった。クラシック音楽の大名曲から美しい旋律ばかりを集めたLPはCD時代でより盛んになっていましたが、録音された時期も作曲時代もちぐはぐなものからアダージョだけを並べただけだというのに、企画されて演奏されたものだったような統一感。良くも悪くも、そこがカラヤンの凄さ。旋律が沸き立つような流麗な音楽、スリルを感じるスピード感がカラヤンが昔の指揮者と違っていたところだが、アダージョ楽章の遅さはカラヤンの生涯変わるところがなかった本質の部分だった。

ドイツ・グラモフォンはクラシック音楽の音のカタログ化を目標としていたが、フィルハーモニア管弦楽団時代にカラヤンは名曲集録音に積極的だった。おそらく、こういう録音が売れるためには、クラシック畑以外の人にも注目を浴びるだけのスター性がないと駄目だろう。その売れ線とスター性で「スケーターズ・ワルツ」まで録音したのは度を越したと感じたのか、唯一の録音となっている。1967年9月22・25日にベルリンにあるイエス・キリスト教会で録音された「オペラ前奏曲・間奏曲集」は群を抜いている。