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異説クラブ

最初の1分でわかる違い ― やさしいソナタでもこれだけ違う、自由な演奏解釈を聴き比べてクラシック音楽を楽しむ

ベートーヴェン ピアノソナタ19番

アンドラーシュ・シフ



はじめは、アンドラーシュ・シフの演奏に耳を傾けてください。その後、順に聞き進めていくと冒頭のフレーズが途中から変化するところで感じ取る印象がそれぞれ違うことがわかるでしょう。
シフのベートーヴェン演奏のスタイルは「現代の楽器のパフォーマンスを最高に引き出す」ものだと思われるからで、もちろんそれ一点ではないが、重要なポイントに間違いない。またシフならではのバランス感覚によって、ソナタの成り立ちも見通すことができて十分にアカデミックだし、他方で装飾音の自在性などもあり、これはまさしく「シフのベートーヴェン」である。一つ一つの音が太く芯まで届いており、かつ高級な美観に貫かれており、その香気はさすがといったところ。


ダニエル・バレンボイム



聴き比べるのはこのバレンボイムの演奏をスタートとするのが良いでしょう。ベートーヴェンのソナタに抱く、一般的なスタイルです。


アルフレッド・ブレンデル



幻想的なムードをまとった、大人のベートーヴェンです。


エミール・ギレリス



鋼鉄のタッチと通称される完璧なテクニックに加えて甘さを控えた格調高い演奏設計で非常に評価が高いピアニスト、ギレリスの古典的解釈のベートーヴェンです。バロック時代のスカルラッティやバッハ、ロマン派のシューマンやブラームス、さらにはドビュッシーやバルトーク、プロコフィエフといった20世紀音楽に至るまで幅広いレパートリーを持っていた。プロコフィエフからはピアノソナタ第8番を献呈され、1944年12月29日にはこの作品を初演してもいる。とりわけベートーヴェンの解釈と演奏においては、骨太で男性的な演奏で「ミスター・ベートーヴェン」と呼ばれるほどであった。ドイツ・グラモフォンレーベルにベートーヴェンのピアノソナタの録音が進行中に死去しました。


ヴァレンティーナ・リシッツァ



3歳でピアノを始め、1年後には最初のソロ・コンサートを催したヴァレンティーナ・リシッツァは、若くして音楽への才能を現したが、子供の頃の夢はプロのチェス・プレーヤーになることであった。ユニークなベートーヴェンです。

初版盤で鑑賞する価値あり

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    GB EMI SLS794/12 ダニエル・バレンボイム ベートーヴェン・ピアノソナタ全集
  4. CD

    「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第3巻」このCDに収録されているのは、ソナチネと呼ばれる作品49の2曲、そして作品14の2曲、それから作品22、1796年から1799年に作曲されたとされる5曲である。いずれも、それほど大きな規模の作品ではない。まず第19番が冒頭に収録されている。非常に美しいロマンティックな要素を持ったこのソナタをはじめに持ってきたところが、シフの演奏意図を如実に反映していると感じる。ベートーヴェンはこれらを「作品番号付き」で出版するつもりはなかっただろう。出版は実弟カールの半ば独断で行われたようだ。4楽章だった曲を、19番と20番に水増ししたようだが、最後のソナタの謎解きになるキーかもしてない。



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