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異説クラブ

今ここにいる審査員の中で、彼より巧く弾けるものが果たしているであろうか

Capitol SG 7241 (ASD 370) Chopin Concerto No.1 Philharmonia Pollini Kletzki

ここには「曖昧」という言葉は一切存在しません。普通のピアニストであれば、何となく雰囲気で弾きとばしてしまうような部分であっても、ポリーニの場合はその中に含まれるどんな小さな音をも曖昧にしないで弾ききっています。これを聴くと、なぜにルービンシュタインが絶賛したのかがよく分かります。ポリーニと言えば「ギリシャ彫刻のような」と讃えられたクリアで粒のそろった音色が特徴なのです。この録音は、そのような優れたピアニズムが既に18歳にして完成していたことをはっきりと私たちに教えてくれます。そして、感心はさせられはするものの、しかし、感動できない。この機械人形のようなピアニズムこそが、ルービンシュタインが生涯をかけて求め続けながらも結局は手に入れることのできなかったものだからです。


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